知っておきたい「配偶者居住権」活用のメリットと二次相続対策
2020年4月の民法改正により創設された「配偶者居住権」 。制度開始から数年が経過しましたが、相続実務においては「まだまだ知られていない」のが現状です 。
「住み慣れた家に住み続けたいが、老後の生活資金も確保したい」という悩みを解決する切り札になり得るこの制度について、ポイントを絞って解説します。
1. 配偶者居住権とは?「住む権利」と「所有権」を分ける
これまでは、自宅を相続すると「所有権」としてひとまとめに扱うのが一般的でした 。しかし配偶者居住権を活用すると、自宅を「住む権利(配偶者居住権)」と「将来の所有権(負担付き所有権)」に切り分けることができます 。
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老後の安心: 配偶者は自宅に住む権利を確保しつつ、預貯金などの生活資金をより多く相続できるようになります。
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無償での居住: 終身または一定期間、自宅を無償で使用・収益できる権利です 。
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成立の仕組み: 遺産分割協議や遺贈、家庭裁判所の審判によって取得できます 。
2. 二次相続対策としての大きな節税効果
配偶者居住権の最大の税務メリットは、「二次相続(配偶者が亡くなった時の相続)」を見据えた節税にあります 。
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財産価値がゼロになる: 配偶者居住権は、配偶者の死亡によって消滅します 。
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二次相続税の軽減: 一次相続で配偶者が取得した「居住権」の価値は、二次相続時には相続財産に含まれない(評価額ゼロ)ため、トータルの相続税を大きく抑えられます 。
シミュレーション例: 財産3億円(うち自宅1億円)のケースでは、配偶者居住権を活用することで、活用しない場合と比べて合計相続税額に約700万円〜950万円もの差が出る試算もあります 。
3. 「小規模宅地等の特例」との関係
土地の評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」は、配偶者居住権に付随する「敷地利用権」に対しても適用可能です 。 同居している子供が土地の所有権を引き継ぐ場合など、家族の居住形態に合わせた緻密な面積調整・計算が必要となります 。
4. 知っておきたい実務上の注意点
便利な制度ですが、活用にあたっては以下の点に留意が必要です。
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譲渡の禁止: 配偶者居住権を第三者に売却することはできません 。
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登記による対抗力: 権利を確定させるためには、設定の登記を備える必要があります 。
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建替えや売却: 建物を取り壊すと居住権は消滅します 。また、所有者の承諾があれば第三者に賃貸して賃料収入を得ることも可能です 。
まとめ:最適な相続プランのために
配偶者居住権は、「自宅の価値が高い」「二次相続まで見据えた節税をしたい」という場合には非常に強力なツールとなります 。ただし、財産構成や家族状況によって有利不利が変わるため、事前のシミュレーションが不可欠です 。
みんなの相続相談所グルーヴでは、これまで多くのご相談に対応してきた専門知見を活かし、専門家と連携して最適な相続プランをご提案いたします 。
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